2021.09.17
「上の奥歯に噛むと痛み」がある。また、噛んだ時に「顔面に響く」ような衝撃を感じる。
その場合、まず歯痛が原因として考えられますが、それ以外に、上顎洞炎の可能性も考えられます。
医療法人社団ありせファミリー歯科ブログにようこそ。
今回は、歯痛と間違いやすい症状である、上顎洞炎(じょうがくどうえん)についてご説明します。
上顎洞は、鼻腔とつながっている骨の中の空洞である、副鼻腔(ふくびくう)の一つです。
副鼻腔は5つありますが、上顎洞は、その5つのうちで最も大きく、上の奥歯の歯根に接しています。
そのため、上顎洞の内部に炎症が起きると、奥歯で噛む時に痛みを感じることがあります。
この上顎洞炎は、一般的には、「蓄膿症(ちくのうしょう)」とも呼ばれています。
病気ととらえる考え方もありますが、多くの人の場合、疲れがたまった時や、体調をくずした時だけに現れる症状です。
体力が回復すれば、自然に上顎洞炎もおさまってしまうことも多いです。
はじめに歯の痛みとして感じることが多いため、私たち歯科医師がよく遭遇する症状です。
歯科では、「歯の痛み」のために来院された方に対して、まずは、痛みの原因になりそうな歯があるかどうかを調べます。
そして、痛みの原因になりそうな歯がない場合に、この上顎洞炎を疑います。
このブログをお読みの皆さまが、上顎洞炎と歯痛を見分ける方法をご紹介します。
①上の歯の奥歯の噛んだ時の痛みがある。
②放置した虫歯や、治療中断した歯がない。
③歩いたり飛び跳ねたりした時に、目の下あたりに響くような痛みがある。
④痛い側の鼻がつまっている。
⑤頬骨(ほおぼね)付近を温めたら、痛みが楽になる。
上記がすべて当てはまる場合は、歯痛以外に、上顎洞炎の可能性も疑われます。
上顎洞炎は、鼻炎が原因の場合も多いのですが、まれに虫歯などが原因で起きる場合もあります。
鼻炎が原因で起きる上顎洞炎は、耳鼻咽喉科での治療となります。
また、虫歯が原因の上顎洞炎は、歯科治療が必要です。
正確に診断するためには、医師の診察を受けていただく必要があります。ご心配な場合は、かかりつけ医にご相談ください。