2023.02.08
医療法人社団ありせファミリー歯科ブログにようこそ。
院長の同前です。
今回は、私が1人で行っている趣味【日本語推理】の入門編として、みなさまに解説したいと思います。
今回は、まず【言葉の記憶能力】についてお話します。
【日本語】の持つ【記憶力】について、私は以前から興味を持っていました。何気なく私たちが使っている日本語の中に、はるか昔の記憶が保存されています。そして、もしも私たちが注意深く観察するならば、その記憶を蘇らせることができるかもしれません。
私は子どもの頃から、シャーロックホームズやアガサクリスティが大好きで、推理ごっこなどをして良く遊びました。
しかし、推理は、される人に迷惑がかかります。歴史上の有名人を推理しても、その子孫の方に迷惑がかかるかも知れません。結局、文字以前の日本史と日本語のなりたちを推理する対象に、最近は落ち着きました。
【言葉は記憶する】
言葉は記憶します。
とくに日本語は書き言葉として記憶能力が非常に高い言語です。
例えば、次に挙げる単語が、欧米、中国、日本のどの地域に由来するものなのか、分からない人はいないでしょう。
①イルミネーション
②幸福
③とんぼ
日本語には、漢字の熟語で表記すれば、中国語由来、カタカナはヨーロッパ由来という原則があり、
その言葉の生まれた背景がある程度、推測できるという利点があります。
まだまだ細かいルールはたくさんありますが、日本語を深く考察すれば、太古の時代の私たちのはるかご先祖さまの心が理解できるかもしれない、そんな可能性を楽しむのが、この【日本語推理】です。
では、入門編を始めます。
今回取り上げるのは、私の職業である歯科医師に関わりのある言葉で、なおかつ、みなさんが毎日使っている【はみがきこ】を取り上げます。
【はみがきこ】は、漢字では【歯磨き粉】と表記します。「歯」を磨く「粉(こな)」という意味です。
しかし、私たちが普段使っている「はみがきこ」は、「粉(こな)」ではありません。
私たちになじみの深い「はみがきこ」は、チューブに入っていて、固体と液体の中間ていどの、粉を液に練り込んだような状態です。
日本語が初めて「はみがきこ」に出会った時、その姿は「粉(こな)」の状態だった可能性が、かなり高かったのだろうと推理されます。
その後、「粉」から今の姿に変わって行く中で、「歯磨き粉」の名称が残ったものだと推理されます。
ここまで考えてみて、歯磨き粉が昔は「こな」の形をしていたことは、ただその名称だけからわかってしまいます。
私を含めて、みんなが気が付いていないだけで、現代の日本語の中には、その使われてきた何万年という歴史が記憶されています。
それを解き明かし、日本語の起源にせまるのが、【日本語推理】の趣旨になります。