神戸市西区の医療法人 ありせファミリー歯科 院長ブログ
医療法人社団ありせファミリー歯科

2023.09.04

【歯並びの話】小児歯科の役割

【歯並びの話】小児歯科の役割

今回は、歯並びの話です。
世の中には、いろんな歯並びの人がいます。全く同じ歯並びの人は、世の中には2人として存在しません。

歯並びを個性の一つと考えるか、治療するべき異常と考えるか。
大変難しい問題だと言えます。

現代の医学では、それを決めるのは最終的にご本人さまの判断にゆだねられることになっています。
仮にどんな歯並びであっても、ご本人さまが気に入って満足していれば、治療する必要はありません。
自分で判断できない年齢では、保護者の方が判断する必要があります。

日本の国の保険制度では、歯並びを病気としては扱っていないため、歯並びの治療は保険適応にはなっていません。
ただし、例外があって、骨格に異常がある場合のみ、矯正治療に健康保険が適応され、比較的安価に治療することが可能です。

【歯並びの話】小児歯科の役割

骨格に異常があるかどうかは、大人にならないとわからないため、子どものうちに矯正治療を開始する場合には、100%実費の負担になり、大変高額な治療費がかかってしまいます。

子どもを育てる親の心情を考えれば、歯並びが「異常」と歯科医師に言われたら、大変なショックを受けるでしょう。
すこしでも早く歯列矯正をはじめなければならないと考えてしまうお気持ちもよくわかります。

【歯並びの話】小児歯科の役割

ただし、幼少期の歯並びは、治療せずに放置しても、成長期に劇的に改善するケースも大変多いです。
また、急いで高額治療を決断しなくても、将来的に保険適応で、安価に治療できる可能性もあります。それを期待して、ほんの数年待ってみるのも、有力な選択肢の一つだと思います。

子育ては人間が営む行為のうちでも、最も大変なものの一つと言って良いと思います。
それは、未来の世界で活躍される方たちを、私たちがお預かりしてお世話をさせて頂いているからです。

【歯並びの話】小児歯科の役割

子育てにおいて本当に大切なことは、社会に出たときに、そのお子さんが、自分の人生を楽しむ事ができるようになっていること。そして、自分の大切な人の人生を楽しませる事ができるようになること。その上で、社会全体のために、自分の能力を発揮し、活躍できるようになること。
それが子育ての究極的な目標であると、私はそんな風に考えています。
そして、かかりつけ歯科医として、歯科医療を通じてお子さんの成長のサポートをすることが、小児歯科の役割だと考えています。

【歯並びの話】小児歯科の役割

歯並びも含めて、いろんな体質や性格の人たちが世界には存在します。人と違う部分は、自分だけの個性であるという考え方もあります。自分の個性を好きになり、そしてお互いの違いを認めて理解しあい、尊重していくことを学ぶこともまた、大切なことなのかも知れません。

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