神戸市西区の医療法人 ありせファミリー歯科 院長ブログ
医療法人社団ありせファミリー歯科

2020.02.12

上唇小帯の付着位置異常

【上唇小帯付着異常】
上唇を指でつまんで引っ張りあげると、顔の中央の唇から歯茎をつなぐように、1〜2センチ程度のタテのスジ状のようなものが確認できます。
これが上唇小帯(じょうしんしょうたい)です。
上唇を動かす筋肉を支える役割を果たしています。

生まれたばかりの赤ちゃんの頃には、低い位置(鼻から遠い位置)にあり、大きくなるにしたがって高い位置(鼻に近い位置)に移動していきます。


上唇小帯の位置が浅いのは赤ちゃん特有のもので、成長とともに必ず高い位置に変化していくので、3歳くらいまでは余り気にしないで良い場合がほとんどです。


実際に、1歳半健診で上唇小帯異常の疑いと指摘され、当院に来院されるお子様のほとんどが赤ちゃん特有の低い位置の正常な小帯です。


1歳半健診では、上唇小帯の付着位置が、数ミリ高い、または低いという個々人の肉体的特徴に含まれる個人差まで、「上唇小帯付着異常」の指摘を受けてしまっているケースもあるようです。私たち歯科医師は、その「異常」が、日常生活を送る上で、一生涯にわたりたいした障害にならないことは承知しています。
しかし、1歳半の赤ちゃんを抱いて、健診会場に足を運ぶお母様がたには、仮に「疑い」の段階でも「異常」と言葉にするのは、その言葉の持つ響きが重すぎるように思います。
健診担当の先生から「イジョウ」と言われたお母様が、相当なショックを受けるであろうことは、想像に難くありません。


個人差が大きい程度の状態まで、「上唇小帯付着異常」と「異常」という語句を含む名称が医学用語として用いられている事に問題があるのかも知れません。


上唇小帯については、学術的には、手術が本当に必要なのかどうかの判断は早くて9才、遅くて12才くらいまではわからないとされています。
赤ちゃんのうちに手術を推奨する先生もおられるようですが、手術を早期にする効果についての学術論文は今のところは有力なものは見られないようです。







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