2021.07.23
医療法人ありせファミリー歯科ブログにようこそ。
院長の同前です。
「ケーキの切れない非行少年たち」というベストセラー書籍の続編、「どうしても頑張れない人たち(ケーキの切れない非行少年たち2)」を読んでいます。
とても面白い本です。
著者は、児童精神科医の宮口幸治さん。精神科病院や医療少年院の勤務を経験された方です。
子育てや教育に関して、いろいろな問題提起をされており、大変興味深く、考えさせられる内容です。
その中から、今回は、「愛情のない励まし」の見出しで書かれているエピソードを紹介します。
著者が少年院で勤務していた頃、良い指導を行っていて少年から人気のある法務教官が、こう言っていたそうです。
「まずは子どもたちに好かれないといけない。自分も学校でそうだったけど、嫌いな先生にどれだけ正しいことを言われても聞きたくない。嫌だと思う。」
「好かれるというのは決して、甘やかすとか機嫌をとるということではない。子どもに笑顔で挨拶する、名前を覚えている、最後まで話を聞く、子どものやったことをちゃんと覚えている、そんな人と人との基本的な関係なのだ」
著者によると、この法務教官は、少年たちを大切に思う気持ちにも溢れていたそうです。
子どもたちは、そうした愛情を持っている人を、しっかりと見抜くのです。
大変面白い本です。
定価720円(税別)
新潮新書
著者 宮口幸治
「どうしても頑張れない人たち」