2021.09.26
【ドックスベストセメント治療とは】
医療法人社団ありせファミリー歯科ブログにようこそ。
院長の同前です。
以前もこのブログでご紹介したことのある「ドックスベストセメント治療」の話題です。
「ドックスベストセメント治療」は、その名前の通り、「ドックスベストセメント」というセメントを使用する治療方法です。
日本国内でも、多くの歯科医院で導入されていますので、ご存知の方もおられるかも知れません。
ドックスベストセメントとは、
歯のかぶせ物やつめものを、歯にくっつけるための接着剤の役割を果たす「合着用セメント」の一種です。
日本では、現在では、合着用セメントとして使われているのは、下の2種類です。
・接着性レジンセメント
・グラスアイオノマーセメント
ドックスベストセメントは、そのどちらでもなく、現代ではすでに使われなくなった数十年前のセメントの仲間である「カッパーセメント」の一種です。
ドックスベストセメントというセメントの種類が存在するのではありません。
ドックスベストセメントとは「医師のための最高のセメント」という意味の商品名です。
このドックスベストセメントが、なぜか日本国内で、5〜6年前くらいから突然、現代によみがえって、広く使われるようになっています。
ただし、この「ドックスベストセメント治療」に関しては、効果を疑問視する歯科医師も多く、現時点では、一部の歯科医院で導入されているにとどまっています。
私も「ドックスベストセメント治療」に関しては、その効果には疑問を感じています。
その理由は、下の2つです。
①合着用セメントであるドックスベストセメントを充填用セメントに使用するには、つめものの強度に不安があること。
②ドックスベストセメントの「虫歯の進行を止める効果」が科学的に証明されていないこと。
そのため、ありせファミリー歯科での「ドックスベストセメント治療」の導入は今のところ見合わせています。