2025.04.03
本日付けのニュースで、トランプ大統領が米国への輸入品にかける関税の引き上げを行うことが判明しました。
関税とは、外国からの輸入品を、国内で販売する際に上乗せする金額のことです。
値上げした金額は、輸入する国の政府の収入になります。
かつては、アメリカ合衆国の自動車産業は、世界一の規模を誇り、日本の企業が太刀打ちできるとは、だれも考えませんでした。
それでも、日本の自動車企業は、品質の向上と低価格の挑戦を繰り返し行うことで、米国での販売台数を増やしていました。
1980年代から1990年代にかけて、多少の日本車がアメリカで売れ出した時に、まだまだアメリカの自動車企業にはるかに及ばなかったものの、アメリカ国民とアメリカ政府は問題視しました。
このまま、日本車がさらに高性能で低価格に改良されたら、いずれアメリカの自動車企業は低迷する時代を迎えるかも知れない。
そこでアメリカ国民と、アメリカ政府がとった行動は、大勢で集会して、日本車をハンマーでたたき壊して、火をつけて燃やすパフォーマンスをして気晴らしをしました。
そして、日本車に高い関税をかけました。
さらには、アメリカの自動車企業に莫大な補助金を支給して、もしもアメリカ車が売れなくても、アメリカ企業が損しないで国に守られる仕組みを作りました。
その結果、アメリカ企業は、より良い自動車を生産する工夫をおこたるようになりました。さらに国からの補助金をいかに多く取るかに全力を傾けるようになりました。
それに対して、日本車は、厳しい環境の中で、さらに高性能で低価格の自動車を開発することに全力を尽くしました。
その後、どうなったのでしょう。
10年程度のうちに、アメリカの自動車企業は経営が厳しくなり、日本の自動車はますますアメリカで人気が出るようになりました。
人の思惑。アメリカ合衆国のような世界随一の頭脳の集結している国のトップですら、その思惑どおりには、事が進まないようです。
自国の産業を守り、他国の産業を苦しめようと画策して介入した結果、その思惑とは逆の未来を引き寄せました。
実は、明治末期から、昭和初期にかけても同じ事が起きていました。
日本の繊維産業の質の良い輸出品が、アメリカで人気が出ました。
それをアメリカは問題視して、日本からの輸入を制限しました。
その時は、日本人は感情的になり、結果的に米国との戦争に発展しました。
戦争を生き延びた人たちが健在だった、1980年代には、日本の自動車企業は正しく戦い、勝利することができました。
そして、今朝、令和7年4月3日。西暦では2025年。
ふたたび歴史は繰り返します。
アメリカ合衆国トランプ大統領の、輸入品への関税引き上げのニュースが報道されました。
アメリカ合衆国の大統領の任期は4年から8年。
4年から8年の間は、この政策により、アメリカの自国産業や経済は一見は守られているように見えるでしょう。
しかし、トランプ大統領の任期が切れるころには、高い関税を課された諸外国の更なる工夫によって、アメリカ経済はさらなる窮地におちいる可能性は高いと予想されます。
アメリカ大統領、とくにトランプ大統領は、自分の任期の間だけいい数字が出れば良いような行動をしているように見えてしまいます。
一方で、日本が最も気をつけるべきなのは、アメリカ国民が自暴自棄になり、日本との戦争を望むことを回避することです。
日本企業がアメリカでの雇用や投資を行うことは、必要不可欠です。
私がここで意見を述べるまでもなく、各企業の担当部署は、これらのことを、すでに着々と進行しているはずです。
アメリカ国民は、常に豊かで、たくさん買い物をしてくれるのが、日本企業にとっては1番、嬉しいことです。
先週のお休みの日に、長崎に行ってきました。
冒頭の写真は、長崎の爆心地に作られている公園の桜です。