2020.10.18
医療法人社団ありせファミリー歯科 院長の同前です。
今回は、最近読んで面白かった本を紹介します。
講談社ブルーバックス「人類と気候の10万年史」
著者 中川 毅
定価 920円(税別)
2017年2月20日 第1冊発行
「過去数十万年の地球上は、どのような気候だったのか」
それを知るための研究方法、また最新の研究成果がわかりやすく紹介されています。
そうした自然科学の知識を学ぶ意味でも充分面白い内容なのですが、
この本はそれだけでは終わりません。
研究していく上での困難や、それを乗り越えるための工夫が具体的なエピソードで紹介されています。また、同分野のライバル科学者たちとも、ときに競い合い、ときに協力し合い、人類全体で気候変動の謎を解決しようとする姿勢は感動的ですらあります。
現在地球上での異常気象、地球温暖化なども大変詳しく、わかりやすく解説されています。
人間の脳細胞は、約100億個あり、これは人類の総数とほぼ同じ。
それなら、地球上で共通の課題が生じた場合には、一つ一つの脳細胞のように、私たちの思いがけないどこかから、
素晴らしいヒラメキやアイデアが生まれて、有効な対策を講じることが
可能になる。
そうした提言が巻末にあります。
多様性への理解、いろんな人がお互いを認め合う大切さ、
それがあれば、数万年以内には将来必ず起きる気候変動にも
人類は立ち向かうことができる。
著者の説明には大変説得力があり、私たちを勇気づけます。
大人だけではなく、中学生高校生にも是非お勧めしたい一冊です。