2022.08.05
今回は、最近読んで面白かった本の紹介です。
「プロ野球 元審判は知っている」
著者 佐々木昌信
2022年3月25日発行
ワニブックス
プロ野球の審判を長年勤めた著者が見た、超一流のプロ野球選手の世界を、面白く、わかりやすく紹介した本です。
全部で、70のエピソードが紹介されていますが、私が特に感銘を受けた記事を今回はご紹介します。
プロ野球の試合に使用されるボールは、1試合で、大体10ダース(120球)準備されているそうです。
バットにボールが当たると、ボールは微妙にへこみ、ピッチャーの変化球にも影響がでます。
そのため、ボールが変形したと感じたら、審判は新しいボールと交換します。
また、ピッチャーから審判に対してボール交換を要求することもあります。
著者の佐々木昌信さんによると、
かつてヤクルトスワローズに在籍した【館山昌平】は、最も頻繁にボール交換を希望した投手だったそうです。
佐々木さんは、館山投手に直接理由を聞く機会がありました。
その理由とは、
ボールの中にある芯が、何個かのうちの1個は、ずれているものがあるそうです。
「芯のずれた」ボールは、変化球が曲がりやすいそうです。
館山投手は、その「芯のずれ」は、手にもって振るとわかるそうです。
そのため、変化球を投げる前に、ボール交換を要求していたのだそうです。
このボールの「芯のずれ」は、プロ野球の投手だったら誰にでもわかるというものでは無いようです。
オフなどのひまな時に、何万回も振っていたらわかるというのが、館山投手の考えだそうです。
ボールを持って、ただ振るだけでも、超一流の選手は、特別な感覚を持っているようです。
私も歯科医師の世界で、新たな発見ができるよう、日々、注意深く観察していくことを心がけたいと、改めて思った記事でした。