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2020.06.12

学童【下顎第一大臼歯の抜髄】

学童【下顎第一大臼歯の抜髄】

※※この記事は歯科医師向けの内容です※※
(主訴)右下奥歯の激しい痛み
右下6自発痛、打診痛あり。
年齢10歳 過去来院歴あり。
中断リスクは非常に高いと予想されるケースです。





ご本人様は、麻酔は平気ですが、切削器具には非常に恐怖を感じています。
付き添いの保護者の方は、泣いてもいいので、しっかりと治療して欲しいとの希望です。
口腔内での処置可能時間は、5分が限界だろうと予想されます。

学童【下顎第一大臼歯の抜髄】

この記事をお読みの歯科医師のかたは、どう治療されるでしょう。






今回のケースにおける当院での治療内容をご紹介します。

まず、浸潤麻酔後30分程度待ち、その後、切削器具はダイヤモンドバーとタービンで、歯髄腔近心髄角めがけて3秒以内に開通させ、
即、髄腔内麻酔。遊離エナメル除去、軟象除去。
ここまでで60秒以内が目標です。

学童【下顎第一大臼歯の抜髄】

器具をKファイルに持ち替え、40から60号くらいまで拡大。
メーターは使えたらベストですが、難しいなら、
根管3分の2程度までを目標に、出血が止まるまで拡大。
止血できたら、ビタペックス貼薬。
髄腔に綿球とキャビトン仮封。バイト高くならないよう注意です。
当日はこれで終了。



ここまでが、切削開始から5分以内の目標です。
当日は鎮痛剤処方。

学童【下顎第一大臼歯の抜髄】

数日後の来院時には、自発痛、打診痛とも消失。
CR充填。処置時間は5分以内が目標です。
こちらが術後のエックス線写真です。


次回は3か月後の来院を指示。
今回の治療は永久的なものではないこと、
そのため数年後にやりかえのための来院が
あらためて必要であること、
ただし、当分は痛みがなければ通院の必要はないことを
説明しています。


現実的には、付き添いなく一人で通院できる年齢になり、
歯科への苦手意識が和らいだら、3〜5年後には再治療出来ればと考えています。











乳歯の根治中断が及ぼすリスクと、
永久歯の根治中断が及ぼすリスクでは、
全く意味が違います。


時間をかけて、良いものにする方が簡単です。

今回はベストを目指すというより、
セカンドベストを最短期間で目指すことがテーマになります。

最大の敵は来院中断。
ある年齢であれば、中断は自己責任と言われても仕方がないかもしれないです。
しかし、小児学童期の治療中断は、ご本人様には責任はありません。
周りの大人がなんとかする義務が存在します。

周りの大人のひとりとして、なんとか出来ないか、
それを突き詰めた治療方法を、今回ご紹介しました。
もっと良い方法がないか、今後も追求していきます。
何か良いアイデアのある先生がおられたら、是非ご連絡ください。


(当然、中断リスクの低い場合には、根尖ジャストのGP根充ですし、
もっと回数を費やします)

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