神戸市西区の医療法人 ありせファミリー歯科 院長ブログ
医療法人社団ありせファミリー歯科

2021.03.06

【ロシア民話】

【ロシア民話】

普段から良く本を読んでいる娘から、面白い話を教えてもらったので、今回のブログ記事に書かせて頂こうと思います。




ロシアに古くから伝わる昔話だそうです。




ある若者が主人公のその物語は、「旅の途中で出会う色々な人たちを仲間に加えながら、王様から与えられた指令を解決して行く」というあらすじです。



主人公の若者は、とても優しくて、「仲間にしてほしい」と言うものは、誰でも仲間にしていきます。



仲間になりたいものは、若者に自分の特技を説明します。
例えば、
「わたしは力持ちです。どんな巨大な岩も持ち上げます。」
「わたしは薬草の知識にかんしては、誰にも負けません。」
など。





中には、役に立たない特技を披露するものもいます。
「わたしはサウナが大好きです。
ひまさえあれば、毎日でもサウナに入りたいくらいです。」





また、こんな男もいました。
「わたしは大変な大めしぐらいです。どんな御馳走もぺろりと平らげて見せます。」

 

さらには、こんな男までやって来ました。
「わたしは大変な大酒飲みです。
いくらお酒を飲んでも、飲み飽きることがありません。」




若者は、誰一人断ることなく、仲間になりたいものは、すべて受け入れていきます。

【ロシア民話】

若者は、最終的に、何十人もの仲間達と一緒に力を合わせて旅を続けます。




旅の途中では、若者は食事のたびに「大飯食らい」に自分の食料を分けてあげました。その度に、「大飯食らい」は口ぐせのようにこう言いました。

「まだまだ食べ足りんですわ。今度には、もう少し沢山の食べ物を用意してもらいたいもんです。」





酔っ払った「大酒飲み」の介抱をすることもいつものことでした。
そんな時、「大酒飲み」は、決まってこう言いました。
「まだまだ飲みたりませんなぁ。せめてもうあと一杯くらい、おかわり出来ませんかなぁ」




また、「サウナ好き」のために、サウナに入る時間をとってやるため、旅が予定通りになかなか進まないこともしばしばでした。




物語の最後には、若者たちは、旅の目的を果たして、王様の元に戻ります。

【ロシア民話】

無事、全ての指令を解決して戻ったら、王様は、「自分の娘である王女と若者を結婚させる」約束をしていました。


若者は当然そのつもりでしたが、王様は気が変わって、なんとか理由をつけて断ろうとします。




王様は言いました。
「お前たちのために、祝いのための御馳走を作った。
せっかくの祝いの料理を少しでも残せば、2人の結婚は認めない。」




お祝いの行われる大広間に、若者とその仲間たちがみんなで食べても食べきれない、ものすごい量の料理が、次から次へと運び込まれます。
誰もがもうダメだとあきらめたとき、仲間のなかで1人声を上げるものがいます。




「やっとワタシの出番がやってきたようですな。」




歩み出た「大飯食らい」は、一人で全ての料理をあっと言う間に平らげました。





「まだまだ食べ足りんですわ。今度には、もう少し沢山の食べ物を用意してもらいたいもんです。」





王様は、あきらめません。



「つぎは、祝いの酒だ。
大たる百杯のぶどう酒を、祝いのために用意した。
一滴でも残せば、2人の結婚は認めない。」




今度こそもうダメだ。
若者たちが皆で頭を抱えて諦めようとしたとき、仲間の中で声を上げるものがいます。



「わたしの事をお忘れでは無いですかな。」

歩み出たのは、「大酒飲み」です。

「やっとわたしの出番がやってきたようですな。」


用意されたお酒を「大酒飲み」は、あっと言う間に飲み干しました。

「まだまだ飲みたりませんなぁ。せめてもうあと一杯くらい、おかわり出来ませんかなぁ」



王様は、次にこう言いました。
「結婚式のまえに、汚れた身体を風呂できれいにしてこい。
そのためのサウナを用意してある。」




そうして準備されたのは、
入れば一瞬で焼け死んでしまうような、炎の燃え盛る熱い釜のような部屋です。

【ロシア民話】

若者たちも仲間も、もうダメだと諦めようとしたその時でした。

「わたしをお忘れですか。
とうとうわたしの出番がやって来たようですね。」

歩み出たのは「サウナ好き」です。

「サウナ好き」は、若者と一緒に、もはやサウナとは呼べないような、燃え盛る熱い部屋に入ります。


すると、「サウナ好き」から冷気が発生して、サウナの中は快適な空間になりました。

「サウナ好き」は言いました。

「わたしは特殊な体質で、どんなに熱いサウナでも、すぐに冷えてしまうので、なかなか満足できないんです。
でも今回は少しは楽しめそうですね。」






すっかり汚れも落として綺麗になった若者は、晴れて王様に認められて、王女と結婚したそうです。

【ロシア民話】

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