2021.04.23
【阪神淡路大震災 避難所での出来事】
佐藤栄男(しげお)さんは、1975年に神戸で生まれました。
生まれつき身体に障害があり、
首から上と、左手がわずかにしか動きません。
5才で、親元を離れ、障害者施設で15才まで過ごしました。
19才のとき、神戸で阪神淡路大震災を経験します。
しげおさんは、障害者用トイレがある垂水養護学校に避難していました。
全国各地から、しげおさんと同世代のボランティアが神戸に集まりました。
しげおさんにとっては、初めての、同世代の健常者の若者との交流でした。
その中で、しげおさんは、健常者と障害者とは話す内容がちょっと違うと感じます。
例えば、同じ「あそぶ」といっても、「海外だ、スキーだ」と障害者どうしの会話とはスケールが違います。
同世代の健常者たちが、「自分よりもずっと広い世界で生きている」ということに、なんとなく気がついていきます。
そして、決定的な出来事が起こります。
ある時、慶応大学の学生を中心に進路の話をしていました。
【就職する】【海外留学する】
横で聞いていたしげおさんの
「頭のスイッチ」が切り替わりました。
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今まで、「障害者社会」というせまい世界の中で、疑問に思うことなく、ただ生かされていた。
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「自分はなぜ就職できないのか」
「就職できないのは、障害が理由なのか」
それから、しげおさんは、自分から外の社会に対して次々と行動を起こして行きます。
そして25年がたった2020年、
しげおさんは、1冊の本を書き上げます。
【俺の仕事は重度身体障害者】
物心がつかないうちに、街から離れた山奥に集められ、
十分な学力を身につける機会も与えられず、
ほとんど何の疑問も持たないまま、
健常者の社会に関わらないように、
死ぬまで身の回りの世話を受け続ける。
そうしたことが、本当に障害者とその家族の幸せにつながるのか。
少なくとも、しげおさんは、そうした生き方を苦痛に感じます。
そして、何か社会の役に立ちたいという強い願いを持ち続けています。
また、しげおさんは、相模原市の障害者施設でおきた2016年の事件に対しても言及されています。
事件の犯人の発言
「障害者は生産性がないから生かしていてもしょうがない」
的な内容が、ワイドショーなどで話題にされました。
これに対して、しげおさんは、
「批判を承知の上で言うと」と前置きした上で、
「違う観点や視点で、同意する部分がある」
と著書に書かれています。
しげおさんの主張を、私なりに次のように解釈しました。
「障害者は、生産性がないなら、
生かされていてもしょうがない
だから、障害者も世の中の役に立ち、生産性のある人生を送りたい。
そうすれば、生きていることに意味を感じることができる」
健康な人も病気や事故などで障害者になる場合もあり、
また歳を取り高齢になれば、誰もが介護を必要となる可能性があります。
そうなった時に、
「生産性がないから生かしておいてもしょうがない」
と世の中から判断されることは、
誰にとっても納得出来るものではありません。
また、事件の犯人は、意思疎通の出来ない障害者にたいして、【「心」を持たない】と一方的に決めつけ、
それを命を奪う理由としました。
しげおさんは、自分の使える、大切な身体機能として、「左手」「口」「心」をあげます。
身体障害者が、生まれつき不自由な身体を理由として、
「心」も否定され、
「命」まで奪われた、
この事件には、しげおさんは、
「世の中の本音」と共通する部分があると指摘します。
事件とそれまで生きてきた人生を重ね合わせて、しげおさんはこう表現されています。
『「身体」という「表紙」を、「性格」以上に見られたという想いと、屈辱は忘れずに生きたいと想う。』
医療法人社団ありせファミリー歯科 院長ブログにようこそ。
ありせファミリー歯科は、神戸市西区にある年中無休、夜21時までのバリアフリー設計の歯科医院です。
今回の書籍は、歯科医師の勉強会のための資料に使う目的で購入しました。
【俺の仕事は重度身体障害者】
購入希望の方は、
佐藤栄男(さとうしげお)さんまで
直接の電話での注文になります。
090-4274-9892
A4版45ページ
1冊880円(税込み)
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