2022.05.13
日本では、北枕は、亡くなった方に対する作法とされています。また、生きている人にとっては好ましくないものとされています。
この習慣は、いつ頃から始まったものなのでしょう。
「北枕」という概念が存在するためには、ある条件が必要です。
それは、
「亡くなった方を、体をまっすぐ伸ばした状態で仰向けに安置する」
という習慣です。
日本では、弥生時代から古墳時代にかけて、亡くなった人を埋葬する際に仰向けに寝かせるようになったと考えられています。
実際に、古墳時代の初期には、前方後円墳の被葬者は必ず「北枕」で埋葬されています。
遠いインドにて、お釈迦さまが亡くなる時に北に頭を向けていたとされる言い伝えがあるそうです。
実際に、インドでは、北枕は「死」を連想するものではなく、お釈迦にあやかることができる好ましいものというイメージがあるそうです。
また、中国でも、北枕に嫌なイメージはないそうです。
日本においてのみ、北枕は死者を弔う際の習慣になったようです。
しかも、文字記録の残っていない古墳時代の初期には、すでに北枕が行われていたことがわかっています。