神戸市西区の医療法人 ありせファミリー歯科 院長ブログ
医療法人社団ありせファミリー歯科

2024.03.07

【ドクズベストセメント追記】

【ドクズベストセメント追記】

医療法人社団ありせファミリー歯科ブログにようこそ。
院長の同前です。



以前に書かせていただいたブログ、「ドックズベストセメント」に関して、製造元のメーカーが廃業したため、現在では製造中止になっている可能性が高いと、こちらのブログに書かせていただきました。その記事を読まれたある読者の方からご連絡をいただき、「ドックズベストセメントは現在も発注可能であり、製造を継続しているはず」とのご指摘をいただきました。




あたらめて調べ直そうと思い、早速、ドックズベストセメントの通販サイトを確認しました。
↓↓下にリンクを貼ります。クリックすると、ジャンプします。

https://shikashop.com/products/docs-best-cement-white-copper

このサイトを見る限り、私の予想通り、製造中止になっているようです。






ご連絡頂いた読者さまは、テムレックス社に連絡すれば、現在も製造を継続していることが確認できるはずだと教えていただきました。
開発元の会社は廃業していますが、M&A(企業買収)で引き継いだ会社である、テムレックス社が製造を行なっているそうです。
[なぜか、テムレックス社のオフィシャルサイトの商品ラインナップには記載がありません。]

↓↓↓
(クリックするとテムレックス社の製品紹介ページにジャンプします。)
http://www.temrex.com/sw/swchannel/productcatalogcf_v2/internet/productcatalog.asp?PCPage=353413

ここまできたら、徹底的に調べようと考えて、テムレックス社にメールで問い合わせました。
①ドックズベストセメントは、歯科用接着材料なのか、それとも医薬品なのか。
②テムレックス社は製造元なのか、販売だけを担当しているのか。
③なぜ、商品ラインナップに掲載されていないのか。





もしも、回答をいただけたら、またこちらのブログでご報告いたします。







さらに、ご指摘を頂いた読者さまより、ドッグベストセメント治療の第一人者の歯科医師の名前と、そのオフィシャルサイトも教えていただきました。
そこには、ドックズベストセメント治療の名前の由来も書かれています。
19世紀後半、アメリカ開拓時代の歯科医師、“ドク”ジョン・ヘンリー・ホリデイ(John Henry "Doc" Holidayが、由来だそうです。
Wikipediaにも項目がありました。

1851年生まれ。
アメリカ合衆国の西部開拓時代のガンマン、ギャンブラー。歯学博士の称号を持っていたため、"ドク"と呼ばれたそうです。






ただ、Wikipediaを見る限り、西部劇におけるギャンブラーとしての有名なキャラクターであり、歯科医師免許は有するものの、ほとんど歯科治療に携わっていない人生を送られている方のようです。
(歯科医師となった直後、20代半ばに肺結核で余命数年と宣告されたため、自暴自棄になり、歯科医師としての仕事を放棄してギャンブルに明け暮れる日々を送った後に、30代半ばで、その生涯を閉じたそうです。)


とくに、ドクホリデイが有名になったきっかけである「OK牧場の決闘」は、大変有名な銃撃戦だそうです。
これはアメリカで映画化されており、日本でも戦後間もなく公開されました。
現在の80歳以上の方は、みなさんご存知の映画だそうです。
(逆に70歳以下の方の知名度は低いようです。)




ここまで調べてみると、ドックズベストセメント自体が、何かの冗談ではないかと思えてしまいます。
しかし、現実には、正しい治療と信じて臨床に取り入れている歯科医師が多くおられます。また、主治医を信じて施術を受けておられる患者様もたくさんおられます。












私は、「ドックズベストセメント」という商品自体を否定するつもりは全くありません。
商品説明書にある通りに、合着用セメントとして購入し、使用することに対しては妥当だという立場です。


しかし、「150年以上前の西部劇のガンマンが開発した歯の神経を守る魔法のような治療法」という触れ込みをされると、どうしても懐疑的にならざるを得ないというのが、正直な気持ちです。

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