2024.12.13
医療法人社団ありせファミリー歯科ブログにようこそ。
院長の同前です。
今回は、栗の話題です。以前にも、このブログで取り上げたことのある「栗の遺伝子操作」ですが、あまり世の中では話題になっていないようです。
考古学や人類史や遺伝子研究が趣味の人にとっては、きっと今年の最大のニュースです。
とにかくすごいことが解明されたと思うのですが、何がどうすごいのかを、改めて解説したいと思います。
2万年前、旧石器時代における日本列島の食糧難で、人類によって栗が品種改良されたことが、ちょうど1年前、令和5年12月22日の研究発表で明らかになりました。
遺伝子研究のありのままの事実を箇条書きにしていきます。
↓↓
①栗は九州に5万年前に持ち込まれた。
②2万年前に、本州に広まった。
③東北、本州南部にそれぞれ適した遺伝子の適応が起きて、東北栗遺伝子、西日本栗遺伝子に分化した。
現在、日本中に自生している栗の遺伝子は、【九州栗】【西日本栗】【東北栗】の3種類に分類される。
④この、どれにも属さない第4種類目の遺伝子を持つ【栽培栗】が存在する。
⑤この第4種類目の【栽培栗】とは、現在も農家で人為的に栽培されている、人によって手入れされ、農産物として流通、消費されている栗の品種である。
⑥栽培しやすく、味も良く、日本の農産物として栽培されている栗は、実はたった一つの遺伝子型しかない。また自生している【東北栗】【西日本栗】【九州栗】のどの遺伝子型とも一致しない。
⑦そのため、明らかに人間の手により、品種改良が行われたことは間違いないとされた。
⑧その品種改良の時期は、おそらく江戸時代あたりだろうと予想される中、令和5年に農研機構を中心として、岡山理科大学などの協力により研究が行われた。
⑨研究の結果、品種改良が行われた時期は、遺伝子型の変異のパターン分析から、2万年前と特定された。
自生していた栗を、人間によって遺伝子操作したもので、その品種改良を行った場所が日本列島のどこかだということも、確実となった。
日本の【栽培栗】の遺伝子型の研究成果は、従来の人類史観、石器時代や、世界四大文明などを覆す大変なものだと思います。
しかし、あまりに荒唐無稽にみえるこのデータの真実の意味が世の中から理解されるには、もう少し時間がかかりそうです。