

2025.12.24

医療法人社団ありせファミリー歯科ブログにようこそ。院長の同前です。
今回は、歴史上の偉人の一人と言ってもおかしくない、「鳥山明」氏の真の功績について、これまで語られてこなかった文脈で、解説を試みたいと思います。
私たちが、ドラゴンボールの主人公である孫悟空を、心の中でイメージするとき、その姿はなぜか後ろ姿です。
そして、両足の裏を地面につけて、両手は握りしめて、まっすぐに前を向いて立っています。
実は、そこには、鳥山明氏の創作の歴史や、少年時代からの精神活動の軌跡が、表現されています。
鳥山明氏は、「メカ」を描く天才と称されることがあります。バイクが大好きで、そこから、作品にはメカが登場すると言う考察も、すでに出されています。
しかし、ドラゴンボールの前作である「Drスランプ」を読んでみれば、鳥山明氏が、メカ以上に、ずっと大好きなものが何か、すぐにわかります。
それは、「ウルトラマン」と「ウルトラ怪獣」です。さらに言えば、ウルトラマンシリーズ全般ではなくて、初代ウルトラマンを特に好きだと予想されます。
実際に、初期のDrスランプには、かなりウルトラマンやウルトラ怪獣が頻繁に登場しますし、「ウルトラ怪獣大図鑑」が、作中では最高の宝物だと描写される場面もあります。
その描写は、少年が無邪気にウルトラマンを崇拝し憧れる姿であり、作者の純粋な「大好き」の気持ちが表現されていました。
しかし、著作権に関して、円谷プロからクレームが入ったようで、ある時を境に、全くモチーフとして触れられることは、なくなりました。
そして、鳥山明氏は、ウルトラマンの著作権を一切侵害することなく、最大のリスペクトを保ったまま、ウルトラマンの本当の魅力を継承したヒーローを新たに誕生させます。
しかも、それは円谷プロにも、世の中の人にもほとんど気が付かれないように、進行しました。
ウルトラマンの魅力とは、かっこいいデザイン、魅力的な怪獣たち、スペシウム光線などのスケールの大きな技、などが印象的です。
しかし、あまり語られてはいませんでしたが、ウルトラマンの本当の魅力は、その立ち姿の美しさにありました。
初代ウルトラマンの、ただ立って、ゆっくり呼吸するその姿は、他に例を見ない究極の美を持っています。
両足の裏を地面につけて、両手を握り締め、正面を向いてまっすぐに立っている姿です。
変に力を誇示したり、筋肉を見せつけるようなポーズをとったりせず、ただ立っていると言うだけの美しさ。これは、庵野監督によるシンウルトラマンの映画化の際に、再評価されたデザイナーである「成田亨」氏の描いたウルトラマンそのものを忠実に再現したポーズでもあります。
さらに、「ソフビ」という子供向け玩具が大ヒット商品になった際に、ウルトラマンの人形が自立するためには、成田亨氏の表現する美しい立ち姿を忠実に再現する必要がありました。
この立ち姿は、のちのウルトラマンシリーズでは、徐々に失われており、現在では、ウルトラマンは力を誇示して、相手を威圧するポーズを示す傾向にあります。
また、シンウルトラマンでは、その逆で、疲れたような姿勢で立っています。
初代ウルトラマンの持っていた、ただ美しいだけの立ち姿は、本家のウルトラマンシリーズでは、すでに消滅しています。
しかし、実は別のコンテンツに、別の形で継承されており、しかもウルトラマンよりもはるかに世界中に広く親しまれています。
それが、ドラゴンボールであり、孫悟空の立ち姿だと言えるのでは、ないでしょうか。
鳥山明氏は、円谷プロからのクレームにたいして、怒りを見せず、また萎縮もせず、さらにはリスペクトを一切失わないまま、だれにも気が付かれることなく、ウルトラマンの魅力の真髄のみを残しました。
その、ウルトラマンの魅力の核となる、美しい立ち姿を、孫悟空は継承し、今では世界中から最も愛されるキャラクターの一つになっています。
さらには、鳥山明氏のウルトラ怪獣への愛情は、ドラゴンクエストのモンスターに昇華しました。
それまでの「モンスター」と言えば、恐ろしく気味の悪いもの、と言う扱いでした。しかし、ドラゴンクエストのモンスターたちの登場により、親しみやすく、可愛くて一目見たら忘れられない存在に一変しました。
みんなから愛されて、子供がお絵かきしたくなるデザインで、仲良くなりたいと願うのが、鳥山明氏の作り出したドラクエモンスター群の本質的な性質です。
また、この"可愛い"モンスターの概念は、のちのポケモンシリーズに受け継がれ、発展しました。
1900年代の日本で実現した、この創作文化の奇跡的な歴史は、【成田亨→鳥山明】と言う2人の天才が共鳴して誕生したと見ることで、より理解は深まるのではないでしょうか。
当時の円谷プロを始めとして、同時代のほとんどの人びとは、成田亨氏に対しても、鳥山明氏に対しても、その本当の才能や功績を正しく評価していたとはいえないのかも知れません。
しかし、結果的には、鳥山明氏は、ウルトラマンを直接的に描かなかったことで、成田亨氏の創り出したウルトラマンを、永遠に世界に残した。
わたしは、そのように感じています。
さらには、成田亨氏と鳥山明氏の共鳴から始まった、才能の連鎖的な化学変化は、ポケモンやその他のあらゆるエンターテイメントの分野において、爆発的な進化を促し、その進化の加速は現在も継続しているという解釈も、また成り立つのかも知れません。